2010年11月09日

働く理由






「何のために働くのか?」
「自分は何のために生きるのか?」
「どんな生き方をしたいのか?」
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就職活動を始める前にまず考えたことでした。

仕事は人生の中でも大きなウェートを占めます。ほぼ毎日、1日に何時間もかけて真剣に取り組むものだからです。そんな人生にとって重要な仕事を決めるためにまず、自分の価値観を深く掘り下げて考えてみました。

さて、人は何のために働くのでしょうか?

以下、「続・働く理由」のはじめにから少し抜粋します。

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「何のために働くのか?」−こう聞かれたとき、「食べるために働く」あるいは「欲しいものを買うために働く」と何の迷いもなく言えた時代があった。
しかし今の日本において、これらの答えは十分な説得力を持たない。というのも、私たちはよほどのことがない限り、食事や服や住まいに困るほど貧窮することはないし、欲しいものだって、自分の生活レベルに合ったものを手に入れながら、たまに少し背伸びをして贅沢するくらいのことはできるからだ。そこで私たちは再び問われる−「じゃあ、私たちは何のために働くのか?」と。
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就職活動って、単なる仕事探しではないですよね。だって、自分のことを知らずに、自分に合う仕事を見つけられるわけないですもんね。就職活動は自分探しでもあるわけです。

この2冊の本は、自分の価値観を深く掘り下げて考えるきっかけを与えてくれて、就職活動を後押ししてくれました。副題に99の名言・至言とありますが、それらの紹介と共に、それらを介して著者の考える仕事論・人生論も書かれています。前に進む力をもらえた気がします。
posted by まっつん at 22:59| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月07日

お金の動くプロジェクト(Le projet avec l’argent)

昨日の続きです。

本を読んで、お金もやっぱり大切だなと思いました。本の中で、マリでうまくいった「農村開発を通じた砂漠化防止」プロジェクトの事例が書かれています。これは砂漠化防止から農業から生活改善まで様々なものをひっくるめた「小規模総合事業プログラム」で、ある地域の59村が対象です。そして、このプロジェクトの当初に750万円の資金が投入されています。

プログラムの活動内容を見てみると、僕がやっている石けん作りや、同期村落隊員のAがやっている改良カマドの普及もあり、他にも識字教育や住民の組織化など協力隊がやりそうな活動がいっぱい並んでいます。でも隊員とプロジェクトの違いは、隊員は1人なので活動の中のいくつかしかできないことと、資金がないことでしょう。

もし僕がプロジェクトのリーダーで、日本の資金750万円がバックにあれば、だいぶ違うと思うのです。「これから隊員が派遣される何代かの間で計750万円の資金を投入します。地域の発展のために色んな活動を総合的にやっていきましょう!」と言うと、村人も「よし、これがラストチャンスだと思ってこの機会に地域を飛躍させよう!」と気合いも入ると思うのです。

でも隊員の活動は資金がありません。というかそれがウリで、「プロジェクトなどの大きな資金に頼らなくても、身の回りにあるものを利用して色んなことができるし、少しずつ自分たちのできる範囲から始めましょう」といつも村の人に言っています。でもプロジェクトの成功例などをこうして読むと、お金があることがうらやましくなってしまいます。

石けん作りでも、なかなか事業にまで拡大できません。でも資金があれば、事業として始めることができます。前に書いた畜産もそうですね。資金が投入できれば、村で畜産のプロジェクトも始めることができます。

お金なしでできる活動も大切だけど、お金を投入することも大事だなとあらためて本を読んで思いました。
posted by まっつん at 21:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月06日

「アフリカ農業と地球環境」を読んで(La revue du livre ’’L’agriculture en Afrique et l’environnement de la terre’’)



JICA事務所から借りた本の2冊目、「アフリカ農業と地球環境‐持続的な農業・農村開発はいかに可能か」(齊藤晴美監、家の光協会、2008)を読み終えました。

この本は、JICAなどの農村開発プロジェクトの実際の事例を紹介しながら、アフリカの農業をいかに活性化するかということが書かれています。とても読みやすいし、また、現場にいると現場しか見ず、少し後ろに下がって大きな視野でものを考えなくなりがちですが、自分の小さな活動とアフリカや地球全体の問題が結びついているのだなと感じることもできました。

さて、この本を読んで様々なことを思いました。1つは「アフリカの多様性」と「中央アフリカ圏」のこと、もう1つは「お金の動くプロジェクト」についてです。

この本のタイトルにも「アフリカ農業」とありますが、アフリカ農業と一言で語ることができないほど、アフリカというのは各地域によって全然違います。ここではこの本に従ってアフリカを5つの地域に分けて見てみましょう。5つの地域とは、北アフリカ、東アフリカ、西アフリカ、中央アフリカ、そして南アフリカです。僕の今住んでいるカメルーンは中央アフリカに入ります。ちなみに中央アフリカは北はチャドから、カメルーン、中央アフリカ共和国、赤道ギニア、ガボン、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、そして南のアンゴラまでの8ヵ国です。

簡単に5地域の概略を書くと、北アフリカは経済が発展していて、気候的には砂漠気候。雨が非常に少ないです。東アフリカは高原地帯が多くサバンナ気候。西アフリカはサバンナ気候とステップ気候で、北にはサハラ砂漠が迫っています。中央アフリカは雨が非常に多い熱帯雨林地帯。最後に南アフリカ。経済が発展している地域で、ここも雨が少なく、ステップ気候、砂漠気候のようです。

このようにアフリカと言っても地域によって全然違います。北のエジプトでは年間降水量が数ミリですが、カメルーンでは年間5000ミリ。環境、気候、植生、全然違います。

「サハラ砂漠以南のサブサハラ」という言葉をよく耳にします。世界で最も発展が遅れている地域で、世界の後発開発途上国50国のうち、33ヵ国がサブサハラの諸国です。でも一言、サブサハラと言っても、上に書いたようにアフリカは様々。ニジェールのように雨が少なく本当にサハラ砂漠が迫っている国もあれば、コンゴ民主共和国のように水資源が豊かで熱帯雨林の国もあります。農業のプロジェクトをする場合は、当然やり方は違ってきます。

この本に面白い表があったので引用したいと思います。農業をするには水が必要です。特に灌漑施設が農作物の収穫量に大きく影響するようで、灌漑水田とそうでない天水頼りの農地では収穫量で3倍くらいの開きがあるようです。その表は、この水をいかに利用しているかを示しているもので、各5地域の違いも大きく表れています。

hyou1.jpg

これを見ると、砂漠で水資源のほとんどない北アフリカがものすごくがんばって少ない水を有効活用しているのが分かります。南アフリカも健闘していています。それに対し、残りの3地域は全然です。特に僕の今いる中央アフリカ。取水率0って…。これはつまり、水は豊富にあるけど垂れ流し状態で、それを灌漑水田などにして有効に利用していないということです。実際、僕の村での農業を見ていても、あらゆるところに小川が年中流れているにも関わらず、そこから水を引くことはなく、みんな天水頼りの農業です。

もう1つ表を引用します。こちらは灌漑面積です。

hyou2.jpg

これら2つの表を見て、中央アフリカ圏の停滞ぶりが浮かび上がってきます。なんででしょう? 雨が降りすぎて自然が豊かすぎるので、人々がだらけちゃっているんでしょうか? いやいや、そんな単純なことだけでもないような気がします。JICAの協力隊は東アフリカと西アフリカに多く派遣されていますが、中央アフリカへはカメルーンとガボンの2ヵ国のみで、しかも4,5年前に派遣が始まったばかりです。JICAの農村開発プロジェクトなども、東と西アフリカではよく聞くけど、中央アフリカではあまり聞きません。なぜか? まずは治安の問題があるかもしれません。最近まで内戦が続いていた国もあります。また、距離の問題もあるかもしれません。東、西、北、南ってアクセスしやすいけど、真ん中って大した国もないしちょっと遠いですよね。実際、旅行で訪れたセネガルには欧米からの観光客が結構いてびっくりしたけど、カメルーンではまず見かけません。アクセスしにくいし、治安も悪いし、そして水・緑が豊かで干ばつの心配もないし、砂漠が迫って切羽詰まっているわけでもないし…。なんかそんな感じで世界の国際協力がこの地域には届いていない、後回しにされている、そんな気がします。でも、カメルーンやガボンは内戦もなく平和なので、もっと来ていいと思うんですけどね。

しかし、表の数字を見る限り、中央アフリカは本当に可能性を秘めた地域だと思います。将来のアフリカ農業を担っていくのは間違いなくこの地域じゃないでしょうか。水がある、緑がある、そして長い雨季の間は日照りも少なくそれほど暑くない。農業にはいいですよね。発展しだいではアフリカの農産物供給地になる可能性もあります。国際協力がこの地域にももっと届くことを祈っています。

長くなったので、本を読んでもう1つ感じた「お金の動くプロジェクト」に関してはまた明日。
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2010年04月27日

国際協力専門員の本を読んで(La revue du livre ’’Kokusai-kyouryoku-senmonin’’)



先日、JICA事務所より借りた「国際協力専門員」(林俊行編、2008年、新評論)という本を読みました。

JICAには国際協力専門員という肩書の職があります。あまり聞きなれないですよね。僕もこの本を読むまで知りませんでした。

JICAは世界各地で援助の仕事をしているわけですが、実際に誰がしているのかというと、専門家、すなわちその道のエキスパート、プロを派遣してその仕事に当たってもらいます。例えば、マリで砂漠化防止の植林プロジェクトがあるとすると、植林の専門家や村落開発の専門家などを派遣して、現地でプロジェクトをやってもらうわけです。まあ、単純に書くとこんな感じ。

で、この専門家とはJICAの職員ではなくて、多くは外から招へいします。でも常に外から招へいするのではなく、JICAにも専門家が所属しています。それが「国際協力専門員」なのです。

彼・彼女らは世界各国で任に当たります。そんな開発援助のプロである国際協力専門員12人が、それぞれの生い立ちや国際協力専門員になるまでの経歴、そしてどんな仕事かを書いてあるのがこの本。全然難しくなく、12人の熱い気持ちが伝わってきて、とても面白かったです。僕も45歳ぐらいになってこの職業に応募できたらなと思いました。とても憧れます。

面白くて読みやすいので、国際協力のことがよく分かる1冊です。援助関係者でなくてもお勧めの1冊です。
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2008年04月05日

また本を読んだ



小國和子(2003)『村落開発支援は誰のためか‐インドネシアの参加型開発協力に見る理論と実践』明石書店

小國先生は実際に現場で活躍する実務者でありながら研究者でもあります。先日は、村落開発普及員の研修にも講師としてお見えになりました。

この本ではインドネシアで1994年から2002年まで行われたプロジェクトを取り上げています。期間中には延べ約30人の協力隊員が派遣されていて、著者である先生も協力隊員としてまた調整員として2度にわたって参加しています。

この本の特徴はその試みにあると思います。そのプロジェクトを文化人類学的な視点から観察・調査・分析してまとめたと感じました。一般的に文化人類学ではある民族(例、ネパールのタルー族、雲南省のハニ族など)を対象にして研究を行うのですが、ここではその対象が開発プロジェクトでした。本書のあとがきにも書いてありましたが、こういう試みはあまりないと思います。

さて内容ですが、一つ一つの協力隊事業の分析は興味深かったですし、開発支援という概念の捉え方から成果の評価の仕方まで、従来のものとは違う新しい視点が多く取り込まれていてとても刺激になりました。また、現場に携わる実務者としてどのような心構えで取り組めばいいのか、考えさせられました。その中のほんの少しだけをまとめて書いてみます。

まず開発支援というものは、支援する側‐支援される側、協力する側‐協力される側、というように二項対立で考えられる場合が多いですが、そうではなく異なるお互いが「入りまじって」相互作用を生み出すものという視点(p.132)が出されます。本書でも引用されているのですが、『支援学』が定義する支援行為とは「他者を配慮して自らを変えていく」(支援基礎論研究会編『Supportology』2000年、東方出版、p.12)ことだそうです。深い言葉ですね。

また村落開発のプロセスとは、「第一人称としての村落社会とそこに生きる人々が、日常の営みを通じて外部性、異質性を取り込んだり、取り込まれたりしながら、よりよい生活を目指して進めてゆく個別的な社会変容プロセス」(p.257)と述べています。そしてそのプロセスを進めていくためにも、その開発プロセスに携わる全ての人たち(住民や協力隊員など全て)が相互に関わり合って、色んな影響を及ぼしあいながら気づいて学んでいく相互学習の姿勢が大切だとしています。

それらを踏まえると、事業期間中に達成された目に見える成果だけでは村落開発支援の良し悪しを評価するのには不十分で、最も重要な成果は「開発支援が、村落住民が自分について考えたり、気づいたり、再評価したりする契機となること」(pp.270-271)ではないかという考えを示しています。そしてその成果を測る指標を作り出すことを最後に訴えられています。

以上、印象に残った部分を簡単にまとめました。もちろん、一つ一つの協力隊事業の詳細な分析や理論的な部分など内容はもっと多岐に渡っています。ただ、かなり専門的な本だったので僕には少し難しかったです。。。
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2008年04月04日

本を読んだ



野田直人(2000)『開発フィールドワーカー』菊地書館

開発ワーカーとしてどういうところに気をつけて活動していけばいいのか。

この本では、「こういう視点はどう?」「こういうところに気をつけてみれば?」というような感じで、著者から65の問いかけがなされています。文章は平易で、難しく考えずに気楽に読めるのですが、中身は刺激に満ちており、一つ一つの問いかけに考えさせられました。

全部紹介したいところですが、一つだけ最も印象に残ったところを。それは「外部者は資源である」という箇所です。これは、外部者である開発ワーカーが現地に入って、「どうぞ(私を)使ってください」(p.93)と身を投げ出すというスタンスを表しています。一昔前までは、開発ワーカーは住民の先頭に立ってみんなを引っぱり、開発を主導していく立場でした。でもそうではなく、現地住民が行う開発に自分を使ってもらう、つまり自分が相手にとっていかに役立つ資源になれるかという意味で、「立場の逆転」(同頁)でもあります。今までにない発想で、「なるほど」と思わされました。

人それぞれ、「なるほど」と思う箇所は違うと思いますが、65の気をつけるべきポイントはどれも考えさせられるものばかりでした。短時間で読めるし、おすすめです。
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